"知っていますか、「拓北農兵隊」のこと" 日本の敗戦を挟んで凍てつく大地に集団疎開の戦災者たちが苦難の開拓に果敢に挑んだ歴史の証言!と本の帯にありました。
 本を開けると「はじめに」で編著の鵜澤希伊子さんが、私は東京空襲でたびたび罹災、無一物となり目黒区より「拓北農兵隊」に一家で応募し、1945年9月4日に上野を出発して、北海道河西郡川西村中上清川に入植しましたとありました。(途中略)
 私の最後の仕事として「拓北農兵隊」の仲間たちの記録をまとめ、世に問うことにしました。仲間たちの快諾を得て生まれる運びとなったのがこの「知られざる拓北農兵隊の記録です。
 ここには国から未だ補償もない戦災者の戦後の苦闘、国の棄民政策の実態、体験から訴える
「戦争は絶対すべきではない」との次世代への戒め、世界平和への希求が籠っています。ぜひとも読み取ってくださいますように…。と結ばれています。
 拓北農兵隊は太平洋戦争中、日本各地の空襲で戦災に遭い、家を失い仕事をなくし、仕方なく疎開と食糧増産のためとして、国と北海道が計画募集した「北海道開拓」に応募し北海
道に渡った人たちのことです。

拓北農兵隊の記録
 出版 高文研